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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2026/02/16
歯槽膿漏の治し方|
重症になると治療も大変!
そうなる前の予防法とは?
「歯槽膿漏」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな病気か、治し方まで詳しく知っているという方は少ないかもしれません。また、すでに歯槽膿漏と診断されて治療中という方もいらっしゃるでしょう。歯槽膿漏とは、歯茎(歯ぐき)や歯を支える骨(歯槽骨)に炎症が起きる歯周病の一種で、放置すると歯がぐらついたり抜けてしまったりすることもある進行性の病気です。しかし、早期に気づいて適切な対処を行えば、症状を改善し、進行を止めることは十分可能です。
本記事では、
- 歯槽膿漏の原因と発症メカニズム
- 歯槽膿漏の治し方・治療法(歯科での処置/自宅でのケア)
- 歯槽膿漏を悪化させないための予防ポイント
について詳しく解説します。
「歯槽膿漏って治るの?」「どうすれば進行を止められる?」「治療にどれくらいの期間がかかる?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ本記事を参考にして、お口の健康維持にお役立てください。
歯槽膿漏ってどんな状態?
歯周病の進行
正常な状態
- ピンクで引き締まった歯肉
- 歯肉溝は1mm程度
- 歯周組織に保持されている
歯肉炎
- 歯に歯垢・歯石がつく
- 歯肉が炎症をおこして赤く腫れる
- 歯肉溝が少し深くなる
- ブラッシングで出血する
歯周炎(軽度)
- 歯肉がさらに腫れ赤紫になる
- 歯周ポケットが深くなる
- 歯槽骨が溶けはじめる
- ブラッシングで出血する
歯周炎(中度)
- 歯肉は大きく膨らみ赤紫
- 歯槽骨が溶け歯が動くようになる
- ブラッシングで膿や血が出る
- 口臭が気になりはじめる
歯周炎(重度)
- 歯肉は大きく膨らみ赤紫
- 歯肉が後退して歯が長く見える
- 歯がグラグラになり、やがて抜ける
- 食事をしただけで膿や血が出る
- 口臭が強くなる
歯槽膿漏は、歯周病のなかのひとつの状態を指します。歯周病は進行度によって、「歯肉炎」「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」と変化し呼び名が変わります。歯槽膿漏は歯周炎と同じ意味ですが、最近では歯周炎の名称の方が使われることが多くなっています。歯槽膿漏と呼ばれるのは、歯肉炎が進行した歯周炎の状態です。重度になれば、歯と歯茎の境目の溝である歯周ポケットの深さは6mm以上にもなり、歯がぐらついたり、歯肉が膿を持ったりと明らかな自覚症状も出る様になります。
歯周病の初期である歯肉炎の段階では、症状が出るのが歯茎だけという事もあり、自覚症状が乏しく歯茎の異変に気が付かない人もいます。しかし、歯槽膿漏まで症状が進行すると、歯茎だけでなく歯を支える骨まで破壊され、最終的には歯が抜けてしまうなど大きな影響が及ぶ疾患です。以下のような症状がある場合は、歯槽膿漏の可能性を疑いましょう。
【歯槽膿漏が疑われる5つの症状】
- 歯茎からの腫れ・出血がある
- 口臭が気になる
- 口の中がねばつく
- 歯茎の色が赤黒くぶよぶよしている
- 歯がぐらつく
このような歯周病の症状の場合、放置してしまうと歯が抜けてしまうなど重大なケースにつながるため早期発見や、気が付いたら早急な対処を行っていくことが大切です。
歯槽膿漏は、ある日突然発症するものではなく、日々の積み重ねによって進行する病気です。市販の歯周病対策歯磨き粉や抗炎症・殺菌成分配合の歯磨き剤を活用するなど、自分で行うことができるケアから始めましょう。
歯槽膿漏の治療法|
歯科医院での治療の流れを解説
セルフケアだけでは改善が難しい場合に、歯科医院で受ける治療の流れをご紹介します。
重度の歯周病になると、治療回数が多くなり、治療期間も長期にわたる傾向があります。その分、通院にかかる費用や時間的負担も大きくなってしまうため、早期発見・早期治療が非常に重要です。「歯茎が腫れている」「歯磨きで出血する」「口臭が気になる」といった軽微な症状でも、歯周病のサインである可能性があります。保険適用だからと安心せず、時間やお金を無駄にしないためにも、お口の異変に気づいた時点で早めの受診・対策をおすすめします。
症状の程度や進行具合、お口の状態によって必要な治療内容に個人差はありますが、以下は診察で「歯槽膿漏」と診断を受けた場合の主な診療の流れです。
1. 検査+クリーニング
レントゲンや歯周ポケット検査で進行度を確認し、歯石や歯垢を除去してお口の中を清潔に整えます。
2. ブラッシング指導
歯周病の予防・再発防止には、日々のセルフケアが不可欠。正しい歯の磨き方を身につけます。
3. 症状に応じた治療
症状に応じて、レーザー治療・外科治療・歯周組織再生療法などの治療があります。歯科医師の判断や患者の要望などによって治療法は選択されます。
4. 抜歯
歯を支える骨が溶けて大きく失われてしまった場合、残念ながら抜歯以外の選択肢がないこともあります。
初期であれば歯石除去やブラッシング指導などの比較的軽い処置で回復することもありますが、歯周病が進行して重度になると、外科的治療(手術)や抜歯が必要になるケースもあります。特に、歯槽膿漏(歯周炎)は歯茎だけでなく、歯を支える歯槽骨にまで影響を及ぼすため、治療が長期にわたり、複数回の通院が必要になることも少なくありません。
そのため、「抜歯以外の選択肢があるのか不安」「費用面の負担が気になる」とお悩みの方は早めに歯科医に相談することが大切です。進行度に応じた適切な治療と対策を講じることで、歯を守れる可能性が高まります。
歯槽膿漏の予防・治療の
基本はブラッシング!
歯槽膿漏とは、歯肉炎が進行した歯周病の状態を指し、治療には長い時間と費用がかかることがあります。そのため、できる限り進行させないようにすることが大切であり、“予防歯科”に力を入れることが重要です。中でも、もっとも基本となる予防法が毎日の「正しいブラッシング」です。ブラッシングは、歯周病の予防だけでなく、治療を進めるうえでも欠かせないセルフケアであり、お口の健康を守る土台とも言えるでしょう。間違った磨き方では、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)が十分に取り除けず、歯周病や歯槽膿漏を進行させてしまう原因になります。
ここでは、歯周病対策として効果的なブラッシングの基本と、セルフケアの見直しポイントをご紹介します。自身の磨き方をチェックし、正しい方法を取り入れてみましょう。
【歯槽膿漏を防ぐ正しい磨き方のコツ】
・歯ブラシの角度は45度を意識
歯と歯茎の境目に毛先を45度で当て、歯周ポケットにたまった歯垢をやさしくかき出すように動かしましょう。
・力を入れすぎないブラッシングが鉄則
強い力で磨くと、歯茎を傷つける原因に。ペンを持つように軽い力で、磨き残しの無いように1本ずつ小刻みに良く磨くのが理想的です。
・1日2〜3回、1回3分以上が目安
特に夜間は細菌が増殖しやすいため、就寝前の丁寧な歯磨きは歯槽膿漏予防に重要です。
・歯茎が敏感な方は“やわらかめの歯ブラシ”を選択
硬いブラシは刺激が強すぎるため、腫れや出血がある場合は柔らかめのものを使いましょう。
また、歯ブラシだけでは落とせない汚れもあり、プラスアルファのケアも大切です。ブラシでは届きにくい歯と歯の間や奥歯の裏側には、歯間ブラシやデンタルフロスを併用するのがおすすめです。こうした部分に食べ物や歯垢が残っていると、歯周病菌が繁殖しやすく、歯槽膿漏の原因になります。
加えて、以下のような口腔ケア関連のアイテムも活用してみましょう。
- 歯周病専用の歯磨き粉(殺菌・抗炎症成分入り)を選ぶ
- 洗口液(マウスウォッシュ)でブラッシング後の殺菌効果をプラス
- 自分の口内環境に合った種類の歯ブラシや歯間ケア用品を選ぶ
これらを組み合わせて使うことで、セルフケアの質が高まり、歯槽膿漏や歯周病の進行リスクを大きく減らすことができます。
お口の異変に気づいたら、
まずはブラッシング方法を見直そう
「歯茎の腫れ」「出血」「口臭」「歯のぐらつき」などの症状に心当たりがある場合は、歯周病が進行しているサインかもしれません。まずは今の磨き方が正しいかを見直し、必要であれば歯科医院でブラッシング指導を受けるのもひとつの方法です。
毎日のケアで大切なのは、「やっている」ことではなく「正しくできている」こと。
歯周病が悪化して抜歯などの大がかりな治療が必要になる前に、基本であるブラッシングから意識して取り組んでみてください。
これらのケアを毎日の習慣として継続して行い、口腔内の環境を改善すれば、歯周病や歯槽膿漏のリスクを大幅に下げることができます。歯周病が悪化して大変な治療をしなくてもよいように、まずは基本であるブラッシングを意識して取り組みましょう。また、歯周病薬専用の殺菌・抗炎症成分入りの歯磨き粉やマウスウォッシュの使用も効果的です。
歯茎の腫れが引かない、出血する、歯が浮く感覚が続くなどの際には早めに歯医者を受診してください。専門的な歯科治療で歯を守れます。毎日の正しい歯磨きは歯周病予防の基本であり、将来の治療負担を減らします。本記事の情報を参考にし、いつまでも自分の歯でしっかり噛める健康な口元を守っていきましょう。



























































