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2023/08/17

放置するとどうなる?
歯周病が引き起こす
体への悪影響とは

放置するとどうなる?歯周病が引き起こす体への悪影響とは

お口の2大トラブルと言えば、虫歯と歯周病。特に歯周病は「国民病」とも呼ばれており、悪化すると歯が抜け落ちたり、場合によっては全身疾患にも関わってきたりする恐ろしい病気です。今回は、歯周病が私たちの体に与える影響についてお伝えします。

代表的な歯周病の症状

歯周病とは、歯肉炎や歯周炎、歯槽膿漏など歯周組織の症状の総称。毎日のブラッシングが十分でないと、歯と歯や歯ぐきの間にプラーク(歯垢)が蓄積されます。そのプラーク内に潜む歯周病原菌によって引き起こされるのが歯周病です。初期段階では痛みなどの自覚症状がほぼないため、気づきにくいのが難点。

とはいえ、歯周病の初期症状として、次のようなものが挙げられます。

・歯を磨くと出血がある
・歯ぐきが腫れている
・歯と歯の間にすき間ができてきた
・口の中にネバつきを感じる
・歯がグラつく
・口臭が気になる
・硬いものが食べにくい
・歯がしみる

いくつか当てはまる症状がある人もいるかもしれません。いずれも比較的小さな異変なので、違和感を覚えつつも、「放っておけば治るかな?」とそのまま放置してしまう人が多いのも事実。けれども、この小さな違和感の段階で歯科医院に行ってチェックしてもらうことで、その後の歯周病進行を食い止めることができるのです。

歯周病が進行すると
全身疾患にも繋がる!?

では、小さな違和感から始まる歯周病をそのまま放置すると、どうなってしまうのでしょうか。歯周病には大きくわけて3つの進行段階があります。

1. 歯肉炎(初期の歯周病)

歯ぐきに炎症が見られる状態。歯ぐきが赤く腫れたり出血が起こったりしますが、この段階であれば念入りなブラッシングや歯科医院での適切なプラークコントロール(プラークを除去して口内環境を正常に保つこと)で改善できることがほとんどです。

2. 歯周炎(中度の歯周病)

歯を支えている骨の半分近くが破壊された状態。歯ぐきの炎症が進み、出血の頻度が増えます。また、歯ぐきが下がった、歯が長くなったと感じることも。そのため、冷たいものが歯にしみるようになります。さらには、口臭がきつくなったり、歯ぐきから膿が出たり、歯がぐらついて動くなどといった症状を訴える人も少なくありません。この段階になると、歯科医院のクリーニングだけでは改善しない場合、歯ぐきの切開などをする必要があります。

3. 歯周炎・歯槽膿漏(重度の歯周病)

骨の半分以上が破壊され、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットが深くなり、中に膿が溜まって歯ぐきが腫れあがるため、歯はグラグラの状態に。それほど固くないものでも、噛むと痛みが生じるようになります。最悪の場合は自然に歯が抜け落ちてしまうことも。また、進行具合によっては周りの歯に悪影響を与える可能性があるため、あえて抜歯せざるを得ないこともあります。

このように、重度になるともはや取り返しのつかない状況になってしまうのです。さらに怖いのは、歯周病の原因となる歯周病原菌や炎症によって生じる毒性物質などが、歯の周囲の組織を破壊するだけでなく、全身にも悪影響を及ぼすということ。歯ぐきの血管から入り込んだ歯周病原菌や毒性物質は、体中のさまざまな組織まで侵入し、心臓血管疾患や呼吸器疾患、骨粗鬆症、悪性新生物(がん)、糖尿病、妊婦の場合は低体重児出産など、さまざまな全身疾患を引き起こすリスクが高まってしまうのです。

手遅れになる前に生活習慣の
見直し&定期健診を!

最初は自覚症状すらない状態から、症状が進行するにしたがって私たちの体を蝕みはじめる歯周病。もしも異変に気づいたら、まずは歯科医院へ行って診てもらうことが大切です。また、何も違和感がなくても、半年に一度は定期健診を受け、メンテナンスをしてもらいましょう。歯垢の除去はもちろん、歯磨き指導や生活指導もしてもらえるので、歯周病の予防にとても役立ちます。

普段から生活習慣を見直すことも、歯周病を予防・進行させないために重要です。栄養バランスを考えた食事内容、十分な睡眠、適度な運動は、口内環境を整えるためにも、心と体の健康を保つためにも大切。また、喫煙は歯周病と密接な関係があるため、できるだけ控えたほうが良いでしょう。アルコールの過剰摂取も、歯周病を悪化させるという研究結果が出ています。

歯周病を防ぎ、健康な歯と歯ぐきを維持するために、今日からできることから始めませんか?