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2024/06/14

歯周病が妊娠中の女性に与えるリスク!健康な出産のために

歯周病が妊娠中の女性に与えるリスク!健康な出産のために

妊娠すると、急激な女性ホルモンの変化により歯周病になりやすいことが分かっています。それだけではなく、歯周病菌が早産や低出生体重児のリスクを引き起こすことが分かっているのです。今回は、歯周病と妊娠についてのアンケート結果をもとに、歯周病菌が与える妊娠中の女性へのリスクについて解説します。母子とともに元気で安全な出産にするためにも、ぜひ参考にしてください。

歯周病菌は
妊娠中の母子にとって危険!
知っている女性は35%

歯周病菌は妊娠中の母子にとって危険!知っている女性は35%

■ 調査地域:全国
■ 調査対象:
【性別】女【年齢】25歳以上45歳以下
■ 調査日:2023年10月3日
■ 有効回答数:100サンプル

25~45歳の女性に「歯周病菌が早産や低出生体重児のリスクを大幅に上げることを知っているか」についてアンケートを取りました。結果は、知っているという人が35%でした。この結果から、歯周病が出産に与えるリスクについて、出産適齢期にあたる女性であってもあまり知られていないことが分かります。

妊娠すると、母子手帳を受け取る際に役所でさまざまな説明を受けます。その説明のなかで、ほとんどの自治体では妊娠中の歯科受診の促しが行われます。しかし、多くの説明の中の1つであるため、「歯周病にかかりやすい」説明はされても、「歯周病が出産にリスクを与える」説明は省かれたりさらっと流されたりすることも少なくはないでしょう。また、たくさんの説明があり、あまり頭に入っていないケースもあるかと思います。このアンケート結果からも分かるように、まだまだ周知には力を入れる必要がありそうです。

歯周病菌が
妊娠中の母子に与える影響とは?

歯周病は、歯垢や歯石などの歯の汚れが原因で歯ぐきが炎症を起こす病気です。この炎症により発生する毒素が体中をめぐることで、全身に悪影響を及ぼすとされています。妊娠中の女性の場合、問題となるのが「早産」と「低出生体重児」です。そのリスクは7倍にも及ぶとされています。この数字は、悪いイメージの強いアルコールやタバコ、リスクの高そうな高齢出産よりもはるかに高い数字です。

妊娠初期にはつわりに悩まされる人も多く、十分に口腔ケアができないケースも珍しくはありません。また、食べづわりの人は、常に何かを口にしていないと気持ち悪いため、歯周病菌のエサとなる食べ物が豊富な環境をつくっています。女性ホルモンの変化だけでなく、妊娠による生活の変化によっても歯周病に罹患するリスクは高いため、妊娠中の女性は特に口腔内の健康意識を高めておく必要があるのです。

多くの自治体が妊娠中の女性に
歯科検診の補助券を配布

歯周病による「早産」や「低出生体重児」から母子を守るために、多くの自治体では無料で歯科検診が受けられるような取り組みをしています。ほとんどの場合、受けられるのは歯科検診のみで、クリーニングなどの処置や治療は自己負担が発生することもあるため注意しておきましょう。また、妊娠初期はつわりで状態が安定しない場合も多いため、中期以降の受診がおすすめです。もし、なかなかつわりが落ち着かずに歯科検診が受けに行けないという人は、自宅で以下の方法を試してみてください。

【つわり中にやっておきたい歯周病予防】

・ 水やお茶などでうがいをする
口の中をできるだけ清潔に保つ

・ キシリトール配合ガムを噛む
咀嚼(そしゃく)により唾液の分泌を促し乾燥を防ぐ

・ 体調がよい時間に丁寧に歯磨きをする
気持ちが悪ければ洗口剤のみの使用や歯磨き粉をつかわないブラッシングでもOK
小さな子供用歯ブラシで吐き気が起こりづらくなる場合もある

赤ちゃんのためにも、妊娠中の歯科検診は必ず受けるようにしましょう。また、妊娠を望んでいる人は、妊娠前から意識して歯周病予防に努めておくことがおすすめです。