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2024/03/27
歯科検診と歯周病検診はどう違う?
それぞれの特徴と受診のタイミング
「歯周病検診」という言葉を耳にしたことはありますか?「歯科検診」や「定期健診」は知っていても、歯周病検診について知らない方も多いでしょう。歯周病は、歯垢や歯石が原因で歯ぐきが炎症を起こす病気で、歯を失う原因にもなります。
今回は、あまり馴染みのない「歯周病検診」について歯科健診との違いを説明しながら解説していきます。
歯科検診と歯周病検診の違いとは?
歯科検診とは、虫歯や歯周病など歯や口腔内に起きるトラブルを早期発見するための検査です。約3か月に1回のペースで通うのが理想とされています。ブラッシングやフロスなど、自宅での口腔ケアではどうしても取れないお口の汚れをとるため、クリーニング目的で歯科検診を受ける人も多いでしょう。歯科検診は、保険適応のため多くの人が3割負担で受けることができます。ただし、シンプルに検診だけなのか、クリーニングも行うのか、必要に合わせてレントゲンや追加検査をするのかなどによって、費用は大きく異なります。心配であれば、事前に確認しておくとよいでしょう。
一方、歯周病検診とは、国が推奨し各自治体で行われている歯周病に特化した検診で、歯周病の有無、進行状況などを詳しく調べるためのものです。厚生労働省が歯周病予防のために受診を推奨しており、少なくとも40~70歳までの10歳おきに受けられるようになっています。日本では、歯周病有病率が高く、40歳を過ぎると約半数が歯周病に罹患しているとのデータも出ています。また、歯周病は口の中だけではなく、糖尿病や心疾患などの身体の病気にも大きな影響を与えることが分かっています。検診の機会を設けて、少しでもお口と体の健康のためになるよう各自治体が取り組んでいるのが、この「歯周病検診」なのです。
歯科検診では、虫歯や歯周病だけでなく、歯並びや顎の関節など、口腔内のあらゆるトラブルをチェックすることができます。一方、歯周病検診は、歯周病の早期発見と予防に特化した検査となっています。
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歯科検診と歯周病検診の違い
項目 | 歯科検診 | 歯周病検診 |
---|---|---|
目的 | 虫歯や歯周病などの口腔内のトラブルを早期発見し、早期治療につなげる | 歯周病の早期発見と予防 |
検査内容 | 虫歯、歯周病、歯並び、顎の関節など、口腔内のあらゆるトラブルを検査 | 歯周病の早期発見と予防に特化した検査 |
頻度 | 3~6ヶ月に1回程度の受診が推奨 | 40~70歳までの5~10歳おきに自治体からの案内があります。 |
費用 | 原則として健康保険が適用される | 自治体によっては、費用が補助されることや、無料の場合もある |
それぞれの受診する
目的やタイミング
歯周病検診は、各自治体によりおおよそ5~10年おきに受診するタイミングが決まっています。歯周病検診は、お得に歯科検診が受けられるチャンスです。受診年齢になったら、必ず受診するようにしましょう。また、歯周病検診で虫歯や歯周病、その他お口のトラブルを指摘されたら、歯科医師の指示に従い治療を受けることが大切です。
ただし、歯周病検診は5~10年おきにしか案内がないため、歯のメンテナンスとしては不十分です。その間は、3か月おき、遅くとも半年おきに定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。定期的な歯科検診で、歯のトラブルの重症化はほとんど防ぐことができるとされています。放置して何らかの治療が必要になるとお金もかかるため、長期的にみると医療費の節約になるとも言われています。
定期的な歯科検診は3か月おきに、歯周病検診は各自治体が定めた年齢になったらその都度受診するようにしましょう。
歯科検診、
歯周病検診を受診する頻度は?
歯科検診・歯周病検診の頻度は、年齢や口腔内の状態、歯周病のリスクによって異なります。
歯科検診の受診頻度
- 一般的に:大人で3~6ヶ月に1回程度の受診が推奨されています。
- 虫歯・歯周病リスクの高い方:1~2ヶ月に1回程度を目安に受診を行うことが推奨されています。
歯周病検診の受診頻度
- 一般的に:3~6ヶ月に1回程度の受診が推奨されています。自治体では10年おきに歯周病検診の案内がありますが、3~6か月に1回程度の検診を受けることで、歯のトラブルの重症化は予防可能です。
- 歯周病リスクの高い方:1~2ヶ月に1回程度を目安に受診を行うことが推奨されています。
歯科検診、歯周病検診の費用は?
歯科検診・歯周病検診の費用は、自治体や歯科医院によって異なります。
歯科検診の受診費用
3割負担(保険適用)で、1回あたり2,500円~4,000円程度が目安です。
1. 検査の目的や検診内容によっては、保険適用外となり10割負担(自費診療)で1回あたり約10,000円程度になる場合もあります。レントゲン撮影やクリーニング処置がないなど、約5000円に抑えられる場合もあります。
歯周病検診の受診費用
2. 3割負担(保険適用)でおおよそ5,000円程度が目安です。自治体による補助が出る場合が多く、無料で受診できる場合もあります。
検診ではどんなことをするの?
検診では、以下の項目をチェックします。
- 口腔内全体の状態チェック
- 目視や触診で歯や歯ぐきの状態を確認します。
- 歯垢の染め出し:特殊な液体を塗布して、歯垢の付きやすい場所を確認します。
- 歯槽骨を見るためのレントゲン撮影:歯の内部の状態や、歯周病の進行状況、骨の吸収状況を確認します。
- 歯垢・歯石のクリーニング、除去:歯ブラシでは落とせない歯石を除去します。
- ブラッシング指導:歯磨き方法や、歯ブラシ、デンタルフロスなどの使い方について指導を受けます。
- フッ素塗布:虫歯予防効果の高いフッ素を歯に塗布します。
- 口腔内写真:口腔内の状態を記録します。
歯周病検診は
各自治体からの補助が出ることも
歯周病検診は、受診できる年齢が決まっています。40歳・50歳・60歳・70歳と、10年おきに実施するよう厚生労働省がマニュアルを設けています。しかし、自治体によっては、5年ごとの実施をしているところや、20歳から歯周病検診が受けられるところもあり取り組みはさまざまです。
また、費用についても自治体ごとに異なります。実費500円と補助により安く受診できたり、無料クーポンが配布されたりとさまざまです。自治体の補助で受けられる歯周病検診の多くは、基本的な歯や歯ぐきのチェックや指導のみです。レントゲンやクリーニングなどを希望する場合は、別途費用がかかる場合がほとんどのため、ご注意ください。