アセス

- コラム -COLUMN

健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。

2022/09/30

口内のねばつきや出血は黄色信号!
歯周病になりやすい人の特徴とは?

いまや「国民病」と呼ばれることもある「歯周病」。じつに8割近い人が歯周病の予備軍、もしくはすでに歯周病だと言われています。今回は、歯周病の初期症状や、なりやすい人の特徴についてお伝えします。

口内のねばつきや出血は黄色信号!歯周病になりやすい人の特徴とは?

歯周病と歯肉炎、
歯槽膿漏の違いって?

そもそも、「歯周病」とは何でしょうか? じつは歯周病とは、歯肉炎や歯周炎、歯槽膿漏など歯周組織の症状の総称です。

「歯肉炎」は、歯ぐきの腫れが軽度の状態を言います。歯肉炎を放っておくと、顎の骨にまで炎症が広がってしまう「歯周炎」に。そして、さらに症状が悪化すると、歯を支える骨までが溶けてしまい、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう「歯槽膿漏」に繋がります。このように、症状の度合いによって呼び方が異なりますが、一般的には、まとめて「歯周病」と呼ぶことが多いようです。

歯周病の進行度合いは、歯と歯ぐきの間の歯肉溝という溝の深さによって、軽度(2~4mm)・中度(4~6mm)・重度(6mm以上)の3段階に分けられます。

いずれの場合も、十分でないブラッシングによって、口の中にプラーク(歯垢)が蓄積し、歯と歯ぐきの間から細菌が入り込むことで、炎症へと繋がります。

誰の口の中にもいる!歯周病菌とは

歯周病には、歯周病菌が深く関わっています。歯に付着しているプラークの中には数多くの菌が生息しているとされており、その数、プラーク1mgの中に1億個以上! この中に含まれる歯周病菌が毒素を作り出し、歯ぐきの炎症や出血を引き起こします。

歯周病菌は特別なものではなく、誰の口の中にも存在します。こまめにブラッシングして取り除けば良いのですが、放置していると、急速に繁殖していきます。というのも、歯周病菌のほとんどが、酸素が苦手な嫌気性菌。口の中、特に歯周ポケット内は酸素が届きにくく、温度、湿度など歯周病菌にとって最高の環境なのです。

歯周病の初期症状

では、歯周病の初期症状としては、どのようなものがあるのでしょうか。次のチェック項目のうち、あてはまるものがある人は要注意です。

・歯がねばつく、ザラザラする

舌で歯を触ってみて、「なんだか粘つくな」と感じたら、プラークが溜まってきている証拠かもしれません。はやめにブラッシングで取り除くことが大切です。

・歯磨きやフロスをすると出血する

少しの刺激で出血するということは、歯ぐきが腫れているということ。軽度の場合は、しっかりブラッシングを続けていれば、次第に引き締まってきて出血はなくなりますが、症状が改善されない場合は歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

・歯ぐきの色が赤っぽい

歯ぐきの色も、歯周病の進行度をはかるサインのひとつ。健康な歯ぐきは薄いピンク色です。もしも、少し赤っぽい、赤黒い色をしている場合は、歯周病を疑ってみても良いでしょう。
▶歯周病と歯ぐきの色については、こちらの記事もチェック!

・口臭が気になる

口臭も、歯周病のサインのひとつです。歯周病菌が口の中で大量に増殖することで、口臭のもととなる嫌なニオイを発します。
▶歯周病と口臭については、こちらの記事もチェック!

こんな人は
歯周病になりやすいのでご用心!

誰の口の中にもいる歯周病菌。ブラッシングを怠ることで歯周病に繋がりますが、中でも、特に歯周病になりやすい人がいます。

・タバコを吸う

タバコの煙に含まれる有害物質が原因で、喫煙者はタバコを吸わない人よりも3~8倍歯周病のリスクが高く、また悪化しやすいという研究結果が出ています。

・糖尿病を患っている

歯周病は糖尿病の合併症として認識されています。糖尿病によって免疫機能が低下すると、歯周組織の炎症が進んで、歯周病が悪化する可能性が。そのため、歯周病の治療を進めることで、糖尿病が改善されるケースもあります。

・妊娠中

妊娠中は女性ホルモンの関係で歯周病になりやすく、しかも、歯周病になると早産や低体重出産の原因となることがあります。

・大きなストレスを抱えている

ストレスを抱えることで交感神経が優位な状態が続き、唾液量が減ります。唾液には自浄作用があるので、唾液が少なくなることで口内の細菌が増えやすくなり、歯周病のリスクが高まります。また、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンの中には、免疫活動を抑制するものもあり、歯周病悪化の原因のひとつだと考えられます。

これらの項目に当てはまる人は、より一層の歯周病予防を意識してみてください。歯周病にならないためには、毎日の丁寧なブラッシングが一番。歯ブラシだけでなくフロスも使って歯と歯の間までしっかりプラークを除去すること、そして定期的に歯科医院でメンテナンスを行って、歯周病と無縁の毎日を送りましょう。