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2023/07/14

運動不足が歯周病を招く?
お口の健康のカギは血流改善

「最近忙しくて、あまり運動してないな」という人はいませんか?コロナ禍で、これまで以上に運動不足を感じている人もいるかもしれません。じつは運動不足は、肥満解消だけでなく歯周病とも深い関係があるんです。今回は、運動不足と歯周病についてお伝えします。

運動不足が歯周病を招く?お口の健康のカギは血流改善

運動不足と歯周病の関係

2021年、筑波大学は運動療法が口腔内環境に及ぼす効果を実証する研究結果(※)を発表しました。メタボリック症候群の患者の中には歯周病を患う人の割合が多く、歯周病と診断されたメタボリック症候群の方の一部を対象に3か月間運動療法を実施したところ、口腔内環境が改善する新しい効果がある可能性が示唆されたそうです。

また、糖尿病と歯周病が深く繋がっている点も見逃せません。糖尿病による免疫機能低下が、歯周組織の炎症を進行させ、歯周病悪化へと繋がることが多くの研究でわかっています。そして、糖尿病の原因の大きなものに運動不足が挙げられます。実際に糖尿病の治療法には大きくわけて、食事療法、薬物療法、そして運動療法があります。このうち運動療法によって、血糖コントロールやインスリン抵抗性、脂質代謝の改善が得られ、糖尿病の改善が期待できるのです。

これらのことからも、歯周病の予防・改善には適度な運動が効果的だと言えるでしょう。

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適度な運動で歯ぐきの血流をアップ!

では、なぜ運動をすると歯周病の予防になるのでしょうか。

じつは、歯周病の原因のひとつに、歯ぐきの血行不良が挙げられます。たとえば、喫煙者は歯周病にかかりやすく、また、悪化しやすいことが厚生労働省の見解でも明らかになっています。喫煙によって口の中の粘膜や歯ぐきから吸収された有害物質が、血管を収縮させ、歯ぐきの血流量が減少。血液循環が悪化して歯ぐきに十分な酸素が行き渡らなくなってしまいます。すると、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

そこで重要となってくるのが、運動による全身の血流アップ。と言っても、今すぐジムに通うなど、激しい運動をする必要はありません。スキマ時間にウォーキングをする、YouTubeを見ながら簡単なダンスなどをして体を動かすだけでも十分。少し体がポカポカと温まってきたな、と感じる程度の運動を続けることが大切です。

規則正しい生活こそ、
歯周病予防の近道

歯周病の予防・改善というと、何か難しいことをしなくてはいけないと考えている人がいるかもしれませんが、大前提となるのは、口腔内のケア。磨き残しをなくし、歯垢の蓄積を防ぐことが大切です。

加えて重要なのが、規則正しい生活を送ること。今回お伝えした運動不足以外にも、睡眠不足や不規則な食事、ストレスなどは歯周病の大敵です。規則正しい生活を意識することで、体の免疫力が上がり、歯や歯ぐきの健康に役立ちます。

忙しい毎日を送っている人こそ、今一度生活習慣を見直し、まずは日々の運動量を増やすことから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料 ※:筑波大学プレスリリース
https://www.tsukuba.ac.jp/journal/pdf/p202104100700.pdf