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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。

2025/05/26

歯と健康寿命の関係|
本数や義歯の有無で変わる健康リスクとは?

歯と健康寿命の関係|本数や義歯の有無で変わる健康リスクとは?

歯は全部で32本あり、そのうちの4本は親知らずです。親知らずは、生えてこない人やほかの歯に影響が出ることから抜歯する人も多い歯であるため、親知らずが無いからといって心配する必要はありません。 今回は、そんな歯の本数と健康寿命との関連についてご紹介します。

平均寿命と健康寿命|
日本人の歯の本数は?

平均寿命と健康寿命の違いをご存じでしょうか。平均寿命は「0歳における平均余命」のことで、健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」を指します。日本では、平均寿命と健康寿命に約10年の差があります。すなわち、日常生活に制限のある「不健康な期間」が約10年存在するということです。
人生を健康に楽しむためにも、できるだけこの平均寿命と健康寿命の差を埋めなければなりません。これに関与しているのが実は「歯」なのです。歯の健康は糖尿病など全身疾患とも関係が深いことは知られてきていますが、歯の本数が健康寿命に関係していることもわかっています。
厚労省が5~6年に一度実施している歯科疾患実態調査で、歯の本数に関して以下のようなデータが得られています。

〈1人平均喪失歯数(永久歯:15歳以上)〉
年齢階級(歳) 被調査者数(人) 一人平均喪失歯数(本)
総数 2,097 5.3
15~19 49 0.0
20~24 52 0.3
25~34 113 0.4
35~44 199 0.6
45~54 300 1.4
55~64 314 3.0
65~74 525 6.0
75~84 440 11.2
85~ 105 14.1

引用:厚生労働省|令和4年歯科疾患実態調査結果の概要

45歳以上になると平均で1本以上の歯を失うようになり、その年齢を皮切りに歯の喪失本数はどんどんと増加しています。この歯の本数と健康寿命は、どのような関わりがあるのか詳しくご紹介します。

認知症発症リスクは最大で1.9倍

とある研究で、歯が多く残っている人や少なくても義歯等を使用している人と、歯が少なく義歯を入れていない人を4年間追跡調査しました。その結果、歯がほとんどなく義歯未使用の場合、認知症リスクが最大1.9倍、転倒リスクは2.5倍に上がるなど、両者の間に大きな差が生じることがわかりました。
また、歯の残存本数が20本以上の場合と19本以下の場合とでは、その後要介護になる割合が歯の数が少ない19本以下のグループで高いこともわかっています。
このように、歯の残っている本数と健康寿命には関連があることがわかります。認知症や転倒して骨折し寝たきりの状態、要介護の状態になれば、日常生活に制限がかかり決して健康とは言えません。歯を失っても、義歯などを使用することでリスクを抑えることが可能なため、歯が抜けたとしてもそのまま放置せずに義歯で補ってあげることが大切です。

歯を守るためには
歯周病予防が大切

歯やお口の健康を守ることは、未来の健康や楽しみを守ることにつながっています。そのためには、歯周病予防に力を入れることが大切です。歯周病は、口腔ケア不足を主な原因とする誰にでも起こりうるものですが、多くの人が罹患しているからと放っておいてよいものではありません。症状を放置すれば、歯ぐきや歯を支える骨にまでダメージが及び、歯を失うことになります。
歯周病予防に大切なのは、丁寧な歯磨きと健康的な生活習慣、そして定期的な歯科受診です。磨き残しがないように、デンタルフロスや歯間ブラシを併用したり、歯周病菌に対する殺菌効果を高める歯磨き粉やマウスウォッシュを使用したりするなど対策をとってみましょう。
元気に長生きするためにも、未来の自分に健康な歯を守ってあげられるとよいですね。