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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。

2022/10/20

歯周病は歯磨きで治る?
歯周病予防に効果的な
ブラッシング法とは

歯周病といえば、お口の中だけでなく、全身の健康にも影響する恐ろしい病気。40歳以上の日本人の約8割が、歯周病もしくは予備軍だと言われています。では、どうしたら予防できるのでしょうか? じつは、毎日の「歯磨き」こそが、歯周病予防への近道なのです。

歯周病は歯磨きで治る?歯周病予防に効果的なブラッシング法とは

歯周病と歯肉炎、
歯槽膿漏の違いって?

そもそも、「歯周病」とは何でしょうか? じつは歯周病とは、歯肉炎や歯周炎、歯槽膿漏など歯周組織の症状の総称です。

「歯肉炎」は、歯ぐきの腫れが軽度の状態を言います。歯肉炎を放っておくと、顎の骨にまで炎症が広がってしまう「歯周炎」に。そして、さらに症状が悪化すると、歯を支える骨までが溶けてしまい、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう「歯槽膿漏」に繋がります。このように、症状の度合いによって呼び方が異なりますが、一般的には、まとめて「歯周病」と呼ぶことが多いようです。

歯周病の進行度合いは、歯と歯ぐきの間の歯肉溝という溝の深さによって、軽度(2~4mm)・中度(4~6mm)・重度(6mm以上)の3段階に分けられます。

いずれの場合も、十分でないブラッシングによって、口の中にプラーク(歯垢)が蓄積し、歯と歯ぐきの間から細菌が入り込むことで、炎症へと繋がります。

歯周病予防には毎日の歯磨きが命!

歯周病の原因はズバリ、磨き残しや間違ったブラッシングによって口の中に蓄積したプラーク(歯垢)です。プラークは、細菌が集まって歯の表面に形成した「(デンタル)バイオフィルム」と呼ばれる集合体で、ヌルヌルした形状をしています。たとえるならば、キッチンの排水溝にできるぬめりの膜。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間にねっとりと付着するので、口をゆすいだくらいでは除去できません。

プラークは言うなれば「生きた細菌」。そのまま放置すると、口の中で細菌がどんどん繁殖して、歯ぐきに炎症を起こすなどのトラブルにつながってしまうのです。

さらに、プラークには細菌の産生物も多く含まれ、それらがバリアの役割を果たして口腔内の防御作用を弱めてしまうことも。つまり、プラークをしっかりと除去しないままでいると、細菌が増え続けるだけでなく、たとえ薬剤などを使ってお口の中を綺麗にしようとしても、その効果が十分に発揮されないことがあるのです。

そのため、正しい方法、かつ丁寧なブラッシングでプラークを取り除き、口腔内環境を清潔に保つ「プラークコントロール」を行う必要があります。

歯周ポケットを意識した
ブラッシング法&タイミング

プラークコントロールは、単に歯磨きをしているだけでは十分ではありません。ポイントは、歯周ポケットを意識したブラッシング。歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間にある「歯肉溝(しにくこう)」という溝が炎症を起こして深くなったものを言います。
▶歯周ポケットについて詳しくはこちら

歯周ポケットの中まで綺麗に磨くには、歯と歯ぐきの間に歯ブラシを45度の角度であて、小刻みにブラッシングする「バス法」という磨き方が有効です。ただし、汚れをしっかり取り除こうとするあまりに力を入れすぎると、かえって歯ぐきを傷つけてしまうことも。軽い力で十分なので、細かく揺らして歯ブラシの先を歯周ポケットの奥まで届かせるイメージで磨きましょう。

歯磨きのタイミングとしては、毎食後が基本。とはいえ、毎回念入りにブラッシングすることはなかなか難しいものですよね。そこで、せめて一日1回、寝る前のブラッシングは丁寧に行いましょう。

なぜ眠る前のブラッシングが重要かというと、就寝中は唾液の分泌量が減ってしまうため、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうから。もしも食べかすやプラークが残っていたら、たちまち口の中が細菌の巣窟に……! 虫歯はもちろん、歯周病へとまっしぐらです。

少なくとも3分間、できれば5分ほどかけて磨くのが歯周病予防のコツです。歯ぐきに赤いところがある、歯ぐきから血が出る、口臭がするなど、すでに歯周病の初期症状のある方は歯周病対策専用の医薬品を使って、歯ぐきをマッサージするように磨くこともおすすめ。鏡で確認しながら、しっかりとケアしましょう。

オーラルケアアイテムとの相乗効果で
歯周病をストップ!

毎食後の歯磨きと、眠る前の念入りなブラッシング。これで歯周病を予防できる!と思いきや、じつはまだ完璧ではありません。どうしても歯ブラシだけでは磨ききれない場所があり、すべてのプラークを除去するのは難しいからです。

そこでおすすめしたいのが、専用のオーラルケアアイテム。歯と歯の間のプラークを取り除くには、歯間ブラシやフロスを使いましょう。コツは、歯ぐきの少し奥の方までしっかりフロスを通すこと。そして、歯の間のプラークをこそぎ落とすイメージです。

ブラッシングの後は、マウスウォッシュで口をすすげば、その日のプラークはほぼ除去できたでしょう。あとは、3か月に一度の歯科検診を受ければ、歯周病対策はバッチリです。日々のオーラルケアが、いつまでも歯周病と無縁の健康な歯と歯ぐきにつながります!