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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
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2023/03/22
歯肉炎は自分で治せる?
今日からできる歯肉炎予防&対処法
「歯肉炎」と聞くと、歯医者に長期間通わなければ治らない病気、などというイメージはありませんか? じつは、セルフケアで症状を改善することができるんです。今回は、今日から始められる歯肉炎予防と対処法をお伝えします。
歯肉炎とは
歯肉炎とは、一言でいうと「歯ぐきが赤く腫れている状態」。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間にプラーク(歯垢)が蓄積するために起こります。プラークには膨大な量の細菌が潜んでいて、そのなかに含まれる歯周病菌によって歯ぐきが腫れたり、場合によっては出血したりすることも。なんとなく歯ぐきがむず痒いといったケースもあるようです。
ただし、歯肉炎は比較的軽度の状態です。多くの場合は、腫れなどの原因となっているプラークをしっかりと取り除き、丁寧にブラッシングすることで症状は改善されます。つまり、歯肉炎の段階であれば、自分で治すことができるのです。
歯肉炎の治し方と予防法
ここからは、自分でできる歯肉炎の対策を見ていきましょう。
・お口の中を清潔に保つ
歯肉炎が疑われたら何より一番に行いたいのは、口腔清掃です。つまり、歯肉炎の原因であるプラークを取り除くこと。まずは、歯ブラシで丁寧にブラッシングしましょう。このとき、歯の表面は歯ブラシを直角に当てればよいのですが、歯と歯ぐきの間を磨く際は、少し歯ブラシを傾けて、45度くらいの角度を意識すると、歯と歯ぐきの間のプラークまで歯ブラシの先が届きやすくなります。また、毛束が塊になっていて、先が尖っている「タフトブラシ」と呼ばれる歯ブラシも効果的です。
しかしながら、いくらブラッシングを丁寧に行っても、落としきれないプラークがあります。そこで、歯間ブラシやフロス、マウスウォッシュ、歯肉炎対策の専用医薬品もうまく活用すると良いでしょう。軽度の歯肉炎の場合は、10日ほどで症状が改善すると言われています。
・唾液を分泌させる食べ物を意識的に摂る
唾液には、口の中に残った食べかすなどの汚れや細菌を洗い流す自浄作用があります。そのため、唾液の分泌量を増やせるように意識すると良いでしょう。
たとえば、食後にキシリトールなどが含まれているガムを噛んだり、噛み応えのある食品を意識的に食べたりすることも効果的。ただし、ガムをたくさん噛んでいれば歯肉炎が改善されるわけではありません。あくまでも自分で意識できる対策のひとつですので、ブラッシングは念入りに行ってくださいね。
・生活習慣を整える
体の免疫システムの働きが低下すると、さまざまな細菌と戦えなくなるため、口腔内の細菌バランスも崩れてしまいます。
結果、歯肉炎になりやすく、悪化しやすくなってしまうのです。
そのため、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など、生活習慣を整えて免疫力アップを心がけましょう。また、喫煙は歯肉炎をはじめとする歯周病のリスクを上げるため、できるだけ控えたほうが良いでしょう。
こんなときはすぐに歯科医院へ!
ここまで、自分でできる歯肉炎対策をお伝えしましたが、注意してほしいのは、すべての歯肉炎が改善できるわけではないということ。たとえ最初は症状が軽くても、そのまま放置していると徐々に進行し、顎の骨にまで炎症が広がる「歯周炎」となり、さらには「歯槽膿漏」に繋がってしまいます。最悪の場合、歯が抜け落ちることもあるのです。
セルフケアをしているのに、10日以上たっても症状が改善されない、むしろひどくなっている場合は、すぐに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。歯ぐきに痛みが生じていてブラッシングができない、物を噛むのも辛いといった場合も然りです。
また、どれだけ念入りに磨いていても、セルフケアだけではプラークが取り切れないこともあります。歯ぐきの状態がおかしいな?と思ったら、早めに歯科医院でお口の中をチェックしてもらってくださいね。そのうえで、今回ご紹介したような対策を講じれば、いくつになっても健康的な歯と歯ぐきが保てますよ。