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2025/07/25
歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏|
歯周病の症状の違いと予防方法

歯周病や歯肉炎など、聞いたことはあっても違いがいまいちわからない人は多いでしょう。今回は、お口の身近な病気である歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏について、それぞれの症状や特徴を詳しくご紹介します。誰もがなり得る可能性のある身近な病気のため、自分のお口の状態を把握する意味でも知っておくとよいでしょう。
歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏の違い
歯周病は、歯周病菌によって歯ぐきに炎症が起こる病気の総称で、進行の段階により「歯肉炎」「歯周炎(歯槽膿漏)」と呼ばれます。歯と歯ぐきのあいだには「歯肉溝」という溝があり、健康な状態では1〜2mmほどの浅さですが、炎症が進行するとこの溝が深くなって「歯周ポケット」になります。また、歯ぐきの腫れや出血、口臭があらわれ、やがて歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯が抜けてしまうこともあります。
詳しい症状の特徴は、以下のとおりです。
■ 歯肉炎 : 歯周病の初期段階
歯ぐきに軽い炎症が起きている状態で、症状がでるのは歯ぐきのみ。歯ぐきが腫れたり、ブラッシング時に出血したりする。
■ 歯周炎 : 歯周病が進行した段階
炎症が歯ぐきだけでなく、歯周組織にまで広がっている状態。軽度~重度まで程度はさまざまだが、進行とともに歯を支える骨(歯槽骨)も溶け、歯ぐきはだんだんと下がってくる。
■ 歯槽膿漏 : 歯周病が進行した段階
歯周炎と同じ意味だが、最近では歯周炎の名称の方が使われることが多い。
いずれも歯周病の症状ですが、病状もさまざまで状態に応じて症状名が異なります。知っておくと、お口の中の状態を理解しやすくなるでしょう。
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歯周病で歯を失う可能性も
歯周病が進行して重度の歯周炎(歯槽膿漏)の状態にまでなると、歯槽骨や歯ぐきなどの支えを失い、歯がぐらぐらとしてきます。こうなると、弱い負荷がかかっただけでも抜けてしまう可能性があります。
自分は若いから歯周病や歯を失うことはないと思っている人も多いでしょう。しかし、厚生労働省が開示しているデータでは、15歳以上を対象にした全年齢層の約4割に歯周病の症状の1つである歯肉出血がみられることがわかっています。若いから大丈夫といった考えは捨て、年齢に関わらず今から対策を始めるのがおすすめです。
セルフケアを見直そう
歯周病になる一番の原因は、口腔ケア不足により歯垢(プラーク)を落としきれていないことにあります。そのため、歯周病を予防し、歯を失うリスクから脱するためには、現在の口腔ケアを見直す必要があるでしょう。
具体的には、歯全体に行き届く丁寧なブラッシングをしているかの確認、フロスや歯間ブラシ・部分磨き用歯ブラシの適切な使用、目的に合った歯磨き粉やマウスウォッシュの選択などです。これまで何となく行っていた歯磨きを、目的をもって意識して毎日続けていくことで歯周病リスクは減らすことができます。定期的に歯科受診することももちろん大切ですが、歯医者に行くことよりも、自宅で行う日々のセルフケアは特に重要です。
歯周病は歯を失うリスクがあり、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏と進行する前に食い止める必要があります。口腔ケアへの意識を高め、口腔ケアに力を入れるなどの対策をとり歯周病を予防しましょう。