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健康な歯と歯ぐきをまもるために…。
歯の健康に関するコラム記事を
ご紹介しています。
2025/06/25
奥歯周りの歯ぐきが腫れる!
磨きづらい歯はどうする?

普段歯磨きを丁寧にしていても、歯ぐきの腫れが起こりやすい場所はありませんか?それは、磨き残しのサインかもしれません。歯ぐきが腫れる原因の多くは、歯磨きでうまく歯垢がとれていないことにあります。いわゆる、菌が繁殖したことで起こる歯肉炎の症状です。人によって、歯並びや歯の場所・形状によって磨きにくい場所はさまざまです。
今回は、そんな磨きにくい場所でもある奥歯に関するアンケートをもとに、磨き残しによるリスクや改善策についてご紹介します。
奥歯周りの歯ぐきが腫れた
経験のある人は36%

■ 調査地域:全国
■ 調査対象:
【性別】男女【年齢】20歳以上69歳以下
■ 調査日:2024年9月5日
■ 有効回答数:100サンプル
今回は、歯磨きをしていても奥歯周りの歯ぐきが腫れた経験があるかアンケートを取りました。結果は、36%の人に奥歯周囲に腫れの経験が見られました。この結果は「腫れの自覚症状がある人」が36%であり、実際はもっと多いことが予想されます。
軽い歯肉炎程度の腫れの場合、痛みがないために気づかないケースがほとんどです。そのため、歯ぐきの状態が見えづらい奥歯では、腫れに気付くのは症状が進行し痛みを伴ってからのケースがほとんどだと考えられます。
そのため、腫れを経験したのは36%という少なくはない数字ですが、実際には結果以上に多くの人が腫れを経験した可能性があるでしょう。
奥歯は特に磨き残しが多く、
歯肉炎にもむし歯にもなりやすい場所
奥歯は、磨き残しが起こりやすい場所とされています。空間が狭く歯ブラシの毛先が届きにくいことや、凹凸が多い形状がその理由です。親知らずが生えてきて、さらに磨きにくさが増すケースもあるでしょう。
そのため、奥歯の周囲は、歯垢(プラーク)や食べかすがたまりやすく、歯ぐきに炎症(歯肉炎)が起きやすい場所でもあります。奥歯の歯ぐきが歯肉炎になると、腫れ・出血・痛みなどの症状があらわれるようになります。さらに歯周炎だけでなく、前歯に比べると20倍もむし歯になりやすいなど、歯と歯ぐきのトラブルを引き起こすリスクが高く、歯の中で「最も寿命の短い歯」と言われています。
奥歯は、食べものを噛む・すりつぶす以外にも、発音するのにも重要な役割を担っている歯です。大切な歯を失わないためにも、対策をとり守っていく必要があります。では、具体的にどのような対策をとっていけばよいのでしょうか。
奥歯の磨き残し対策は
歯ブラシ選びと磨き方が重要
<奥歯を磨きやすい歯ブラシの選び方>
よい歯ブラシは、人によってさまざまです。その人の口の状態や、使用する目的・使用感の好みが異なるためです。
奥歯の磨きやすさを重視して歯ブラシを選ぶのであれば、おすすめはヘッドが薄い歯ブラシです。狭い奥歯でも、操作性が高く磨きやすいのが特徴です。また、横幅が細めのものを選ぶと、さらに操作性が増し磨きたい箇所に届きやすくなるでしょう。
<奥歯の磨き方>
磨き方のポイントの基本は、軽い力で小刻みに1~2本ずつ丁寧に磨いていくことです。1か所あたり、20回ずつ磨いていくとよいでしょう。奥歯を磨く場合、頬側であれば口を軽く閉じると空間ができて磨きやすくなります。奥歯の奥まで歯ブラシの先を当てて、丁寧に磨いてください。
口の開き方や歯ブラシを入れる角度を工夫することで、歯への当たり方は変わってきます。奥歯の奥まで磨き残しがないように意識して「最も寿命の短い歯」と言われている奥歯を守っていきましょう。