知覚過敏の症状は
歯周病が原因の可能性も？
その関係と予防方法を解説

冷たい水で歯がしみる、歯ブラシの時に刺激を感じる…それ、知覚過敏かもしれません。程度はさまざまですが、知覚過敏に悩む人は少なくありません。虫歯がないのに歯がしみる、という経験をした方も多いのではないでしょうか。ではなぜ、知覚過敏のような症状が起こるのでしょうか。その原因、実は歯周病が関係している場合もあります。当コラムでは、知覚過敏の原因と歯周病との関係性について詳しく解説し、セルフケアのポイントや歯科治療の内容についてもご紹介します。知覚過敏や歯茎(歯ぐき)の違和感に悩んでいる方は、ぜひご参考にしてください。

知覚過敏が起こる原因とは？

知覚過敏の原因は、大きく3つに分けられます。

① 歯茎が下がる

年齢とともに歯ぐきは少しずつ下がるのをご存知でしょうか？また加齢だけでなく、歯ぐきの退縮は歯周病によっても進行します。歯ぐきが下がると、エナメル質のない歯の根元が露出して、歯肉に覆われていた「象牙質(ぞうげしつ)」はむき出しの状態になります。そのため、露出した根の象牙質にある無数の穴（象牙細管）を通して、受けた刺激を神経（歯髄）に伝達しやすくなり痛いと感じやすくなるのです。冷たい水やブラッシングの刺激で痛む一過性の症状は、このために起こります。特に、歯周病が進行している場合の多くは、歯ぐきの下がり方が急激で、短期間で知覚過敏の症状が出ることもあります。歯周病による歯ぐきの後退は、見た目の変化だけでなく、機能面でもトラブルを引き起こすため注意が必要です。

② 象牙質の露出

知覚過敏は虫歯と違い、歯の破折や欠損、摩耗、酸によって溶ける等の理由で、歯の最表面にあるエナメル質がなくなり、象牙質が露出することで起こります。「①歯茎が下がる」でも先述したとおり、象牙質の露出は痛みを感じる原因です。エナメル質は、外的刺激から歯の内部を守る役割を果たしていますが、このエナメル質は酸に弱く、酸性の飲み物や食べ物、虫歯菌が作り出す酸などによって溶けてしまいます。甘い炭酸飲料や、酸っぱい食べ物の摂り過ぎには注意しましょう。また、歯ぎしりや食いしばり、強い力でのブラッシングもエナメル質を傷つけたり、すり減ったりする原因です。最近では、スマートフォンを使用しながらの食事や早食いなど、食生活や咀嚼の習慣の変化も歯のすり減りに強く影響しているといわれています。食べたすぐ後に歯磨きをすることも、エナメル質がやわらかくなっているタイミングで逆効果になることがあるため注意が必要です。こんなエナメル質を失う様な食事内容や習慣、癖には気をつけましょう。

③ 歯科治療の影響

虫歯の治療により、歯を削ったりかみ合わせが変わったりした場合も、知覚過敏になる可能性があります。時間とともに改善する例もありますが、症状が続く場合は治療が必要です。自己判断せず、かかりつけの歯科に相談し診てもらいしょう。また、ホワイトニングを行った際にも知覚過敏の症状が起きることがあります。これは薬剤の影響で、一時的に歯の神経が刺激されることが原因と考えられています。しかし、こちらに関しての詳しいメカニズムは、まだ分かっていません。ホワイトニングの場合は、時間とともに症状が治まる場合もありますので少し様子をみましょう。痛みが強い場合は、ホワイトニングの種類や方法を見直すことも検討しましょう。歯科治療後に起こった知覚過敏は、きちんと適切な対応をとるためにも、まずは受診した歯科に相談し診てもらうことが安心です。

知覚過敏と歯周病の関係性

知覚過敏を引き起こす原因の一つとして、歯周病があげられます。
歯周病は、プラークと呼ばれる歯垢や歯石に潜む細菌により歯茎が炎症を起こす病気です。これにより歯茎に退縮が引き起こされ、これまでは覆われていた歯の根元部分が下がり、象牙質が露出するため、痛みを感じやすくなります。また、歯周病により知覚過敏になると、歯みがきによるブラシの刺激やうがいの水でも痛みを感じるため、十分なマウスケアができなくなる可能性が高いと考えられます。そうなれば、症状を放置していることと同じであるため、歯周病も知覚過敏も悪化する一方です。歯周病が原因の知覚過敏であれば、しみても丁寧な口腔ケア（やさしく丁寧なブラッシングなど）を行うようにしましょう。症状がつらい方は、我慢せずに歯科医院に相談するのもおすすめです。歯医者では、刺激を伝わりにくくするためのフッ素（再石灰化も促す）や薬剤の塗布、コーティング剤(レジンなど)の使用、マウスピースの装着など、原因や症状に応じた治療法があります。気になる方は、歯科医院のホームページなどで診療情報をチェックしてみるとよいでしょう。
歯周病は、適切なブラッシングなどのセルフケアで予防ができます。親知らずがあったり、歯並びが悪かったりすると、ブラシの毛が当たりにくい場所が出てくるため磨き残しが起き、歯周病リスクが上がることもあります。マウストラブルに悩む前に、自分の口の状態に合った歯周病ケアをはじめましょう。
また、歯周病の初期段階である歯肉炎の段階で気づけるかどうかも、予防のカギを握ります。歯茎が赤い、少しの出血があるなど、軽微な変化を見逃さないようにしましょう。歯周病の進行を防ぐためには、毎日のセルフケアに加え、定期的な歯科検診も重要です。目に見えない部分で進行することが多いため、歯科医師によるプロフェッショナルケアで早期発見・早期対応を目指しましょう。歯科では、歯石除去（スケーリング）や歯のクリーニングなど、セルフケアでは届かない部分の清掃も可能です。

歯周病による
知覚過敏を予防するために

自宅でできる歯周病ケアは以下のとおりです。

● 正しいブラッシング（優しい力で）

● デンタルフロス・歯間ブラシの使用

● マウスウォッシュの使用

● 自分に合った歯磨き粉の選択

大切なのは、歯周病の原因である歯垢を取り除き、お口の中の菌を減らすことです。ブラッシングだけでは落とすのが難しい歯間の歯垢にはデンタルフロスや歯間ブラシを使って、また、ブラッシング後に口腔内の細菌を減らすためにはマウスウォッシュの使用をする等、オーラルケア用のアイテムを組み合わせて使うとより効果が期待できます。
使用する関連ケア用品も、歯周病予防に合ったものを選ぶようにしましょう。中でも、抗炎症作用や抗菌作用のある成分などが含まれる製品は、歯周病予防や知覚過敏対策に適しているため効果的です。症状が強い場合は、歯科医院での処置も検討しましょう。知覚過敏に対しては、知覚過敏抑制剤の塗布、コーティング剤の使用、レーザー治療、ナイトガード（マウスピース）などの治療があります。患者の状態に合わせた対応が必要なため、歯科医師の判断を仰ぐことが大切です。
以下は、歯周病や知覚過敏予防に有効なアセス製品です。

1. 歯周病＋知覚過敏を予防できる薬用歯みがき｜薬用アセス しみる歯ガード(医薬部外品)

こちらは歯周病を予防しながら、知覚過敏の痛みも防ぐ効果も併せ持つ薬用歯みがき粉です。殺菌成分や歯垢除去で歯周病予防を行うだけでなく、硝酸カリウムの成分配合で、歯を刺激から守り知覚過敏による痛みを軽減してくれます。歯周病と知覚過敏、2つの予防を同時に行える特徴を持つ魅力的な製品です。

2. 時間がない時でも使えるマウスウォッシュ｜アセスメディクリーン(第3類医薬品)

ブラッシングだけでは届きにくい口腔内全体まで対処できるのが、マウスウォッシュの強みです。アセスメディクリーンは、30秒間の洗口で歯周病の原因である｢嫌気性菌｣に効果を発揮します。基本的にはブラッシングの後に使用しますが、忙しくて歯磨きをする時間がない時には、マウスウォッシュでうがいだけでも行いましょう。お口の殺菌効果に加えて、口臭の予防やリフレッシュにもなります。携帯にも便利な「アセス液」もあるため、会社や出先でもケアを行いたい人におすすめです。

知覚過敏にお悩みの方は、歯周病が原因の可能性もあります。一時的であっても、知覚過敏で生じる痛みはつらいものです。知覚過敏にならない・悪化させないためにも、歯周病ケアが大切です。自分が継続できそうな簡単なものからでも良いので、ぜひ歯周病対策を日常のセルフケアに取り入れましょう。

知覚過敏と歯周病にまつわる質問と回答（Q&A）

Q1: 知覚過敏が続くけど歯科に行くべき？

A: 痛みが長く続く場合は、自己判断せず歯科医師に相談しましょう。原因を特定し適切な処置が受けられます。

Q2: 歯磨き粉はどんなものを選べばいい？

A: 硝酸カリウム、抗炎症成分入りのものがおすすめです。歯科医院で相談すると自分に合う製品を紹介してもらえます。

Q3: 歯周病の進行を防ぐためには？

A: 正しい歯磨きと歯間ケア、定期的な歯科検診、生活習慣の改善が大切です。とくに喫煙は歯周病リスクを高めるため控えましょう。

まとめ

知覚過敏はつらい症状ですが、原因のひとつに歯周病があることを理解しておきましょう。適切なセルフケアと定期的な歯科受診で、予防・改善が可能です。正しいブラッシングやフロス、マウスウォッシュの使用、歯科医師によるプロケアを組み合わせて、歯茎や歯の健康を守りましょう。健康な歯と歯茎をいつまでも保つために、日々のケアを怠らず、違和感があれば早めに専門医に相談し診療を受けてください。