アセス

- 歯科医師インタビュー -INTERVIEW

健康な歯と歯ぐきを守るために、
歯科医師からのメッセージを連載しています。

vol.10

【後編】
毎日の食生活でできること
—専門医が解説!歯周病予防が全身の健康につながる理由

糖尿病と歯周病の知られざる関係

>用賀ささき歯科 矯正歯科 院長 青木 仁

糖尿病と歯周病の知られざる関係

用賀ささき歯科 矯正歯科
院長
佐々木 直樹

「最近、歯ぐきが腫れやすい」「朝起きたとき、口の中がネバつく」そんなサインを見逃していませんか? 実はこれ、単なる口のトラブルではなく、全身の健康に関わる重要な警告かもしれません。特に糖尿病との関係は、近年の研究でも注目されています。そこで今回は、用賀ささき歯科 矯正歯科院長、歯周病専門医の佐々木直樹先生に、歯周病と全身の健康を守るための秘訣を伺いました。
また、インタビューの前半部分は下記ページからご覧ください。

【インタビュー前半:】
【前編】あなたの歯ぐきは大丈夫?糖尿病と歯周病の知られざる関係

こんな症状に要注意!
あなたの体が発する『歯周病のサイン』

Q4. 早期の歯周病や糖尿病の兆候を
見逃さないために、
患者さんが日常で気をつけるべき
体のサインは何ですか?

糖尿病と歯周病は密接に関係しており、初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことがよくあります。歯周病の初期として第一に上げられるのは歯ブラシやフロスを使った際の出血です。
ただ、どちらも日常生活に支障がないため、なかなか歯科医院に足を運ばないことも多いのが現実かと思います。糖尿病も同じことがいえると思いますが、医科でも歯科でも検診が大事だと言えます。サインが現れてからでは遅い場合が多いので、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることで病気の進行を防ぐことができます。

また、歯周病や糖尿病に限らず、生活習慣だけでなく遺伝的な要素で特定の病にかかりやすいというケースもあります。ご家族に糖尿病が多い方は、歯周病を疑って検診を受けてみることをお勧めします。

Q5. 日々の食生活が歯周病予防に
与える影響について教えて
ください。
また予防に取り組むことで得られる
健康上のメリットに
ついて、歯ぐき
以外の部分でも感じられる
効果はありますか?

病気の有無にかかわらずバランスのとれた食事は誰にでも重要です。特定のものを過剰に取りすぎることなく、様々な栄養を含む食事をバランス良くとることに尽きると思います。
一般的に、西洋の食事よりも和食のほうが、バランスが良いと言われます。ただし、栄養バランスが保たれていれば和食にこだわる必要はないと思います。また栄養面だけでなく、噛むことも大事なので柔らかいものと硬いもの、食材の硬さのバランスも大事だと考えます。歯周病予防のための食生活というのは免疫力を上げることでもあります。免疫力が下がれば歯周病も糖尿病も悪化します。バランスの取れた食事を心がけることで免疫力が向上し、運動や睡眠の質も改善されます。結果的に、全身の健康の向上にもつながっていくと思います。

歯周病は「静かに進行する病気」
定期検診で防ぐ3つのポイント

Q6. 歯周病が進行する前に
早期に発見するために、
歯科検診でどのようなチェックを
お願いすべきでしょうか?

どの歯科医院でも、『検診を受けたい』と伝えれば、一通りお口の状態を確認してもらえます。歯周ポケットの深さ測定(4mm以上で注意)、歯ぐきの炎症や出血の有無、歯の動揺(ぐらつき)、歯石やプラークの付着状況、レントゲンによる歯槽骨のチェックなどをします。

当院では歯科ドックを実施しており、お口全体の精密な検査を行うことで、簡易的な検査では分からない問題点を見つけることができます。その後、十分なカウンセリングを行ってから治療を開始していきます。歯周病治療を終了した時には、再度検査を行い、歯科ドックの時との変化を一緒に確認することで治療による変化を実感していただくようにしています。治療を行うことはとても重要ですが、治療で得られた変化を維持するためには、やはり定期的に検診を行い、継続的にメンテナンスを行うことが必須だと思います。検診は早期発見としてはもちろんですが、改善した歯周病の再発予防としても欠かせないものだと知っていただければと思います。

歯科医師紹介

用賀ささき歯科 矯正歯科 院長 佐々木 直樹

用賀ささき歯科 矯正歯科 院長佐々木 直樹

  • 一般歯科や小児歯科、根管治療、口腔外科、矯正、インプラント、歯髄保存療法と、歯の悩みに広く対応​
  • 東京医科歯科大学の大学院に進み、歯周病について研究と臨床をともに学び、日本歯周病学会歯周病専門医の資格も取得。

2013年 昭和大学歯学部卒業​
2019年 東京医科歯科大学医歯学総合研究科大学院歯周病学分野修了​
その他複数の歯科医院での勤務を経て​
2024年7月に当院を開業

おすすめ記事ページ

インタビュー一覧に戻る