- 歯科医師インタビュー -INTERVIEW
健康な歯と歯ぐきを守るために、
歯科医師からのメッセージを連載しています。
vol.1
歯周病とは?
歯周病専門医の立場から歯周病の
原因と対策についてを解説
歯周病専門医の立場から歯周病の
原因と対策についてを解説
鶴見大学歯学部
歯周病学講座教授五味 一博
Q1. 歯周病とは
どんな病気ですか?
歯周病は、歯肉炎→歯周炎と症状が進行していきますが、20代の7〜8割が歯肉炎、40代以上ではほとんどの人が歯周病です。歯肉炎のうちは、ブラッシングで汚れを取り除けば健康な歯肉に戻すことができます。しかし、歯周炎になり、歯肉が腫れたり、出血したり、歯肉が下がってくるようになると、いくらブラッシングしても、もう元の健康な歯肉には戻せません。
歯周病を放っておくと最後には歯が抜け落ちてしまいますから、『成人を過ぎたら誰もがケアをしなければいけない』。そう認識してほしい疾患です。
Q2. 歯周病の原因は何ですか?
歯周病の原因の第一は、歯と歯肉の境目や溝(歯周ポケット)などに残ってしまった歯垢(プラーク)です。歯垢は、でんぷん糊のようにベタベタしてとれにくいのが特徴。
しかも、歯周炎の段階になると、歯と歯のすき間が空いてきて汚れがたまりやすくなるので、いい加減なブラッシングでは歯周病の進行を防ぐことはできません。
また、歯周病になると歯ぐきが下がり、ザラザラとした歯の根もとが露出します。このザラザラ部分には、ツルツルっとした歯の表面に比べると、はるかに歯垢がつきやすくなっています。
Q3. 歯周病を防ぐ方法は
ありますか?
歯周病ケアには、歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使って家庭で行う「セルフケア」と歯科医院で行う「プロフェッショナルケア」の2種類があります。セルフケアだけでは歯垢や歯石を取りきれません。歯の健康を保つには、歯科医院で定期的(3カ月〜1年に1回)にクリーニングを受けることも大切です。
歯科医師紹介
鶴見大学歯学部 歯周病学講座教授五味 一博
- 日本歯周病学会専門医・指導医
- アメリカ歯周病学会会員
- 日本歯科保存学会専門医
- 日本インプラント学会評議員
- 1981年:
- 鶴見大学歯学部卒業
- 1985年:
- 歯学博士号取得
- 1985年:
- 鶴見大学歯学部助手
- 1991年 - 1992年:
- トロント大学歯学部留学
- 1996年:
- 鶴見大学歯学部講師
- 1998年:
- 鶴見大学歯学部助教授
- 2007年:
- 鶴見大学歯学部准教授
- 2011年:
- 鶴見大学歯学部教授