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妊娠すると体調の変化にともない歯周病にもかかりやすくなります。実際、妊婦の約30から70%がかかっているといわれる「妊娠性歯肉炎」、これも歯周病の一種です。なぜ妊婦が歯周病にかかりやすくなるのか??。それは、妊娠すると増えてくる女性ホルモン(エストラジオール、プロゲステロン)を歯周病菌が分解し、自らの栄養素にして増殖してしまうからです。女性ホルモンの濃度は子宮内ばかりでなく歯周病組織でも高くなるため、たとえ軽い歯肉炎であっても放っておくとたちまち悪化してしまうのです。しかし最も深刻な問題は、歯周病が出産という女性の一大事業に影響を与えることです。妊娠のリスクといえば、これまでは「喫煙」「アルコール」。しかし「歯周病」はこのどちらよりも妊娠のリスクが高いというのです。「歯周病をわずらっている妊婦は「早産や未熟児を出産する確率が健康な人の7.5倍も高い」という事実を明らかにしたのは米・ノースカロライナ大学の研究チーム(グラフ参照)。現在、日本でも研究・調査が進んでおり、「歯周病」は「喫煙」「アルコール」以上に注意すべきリスクとして全国の産婦人科を中心に啓蒙活動が行われています。
歯周病が早産・低体重児出産を引き起こすメカニズムの全容はまだ明らかになっていませんが、現時点では歯周病菌と妊娠期に増加する特定物質・プロスタグランジンが密接に関わっているという学説が有力です。正常出産の場合、羊水中のプロスタグランジンが一定量に達することで子宮が収縮し、赤ちゃんが生まれます。一方、歯周病が進んだ妊婦の場合、血液を通じて運ばれた歯周病菌によって羊水内の女性ホルモンが一気に増加し、同時にプロスタグランジンの量も急激に増加。出産時期より早く収縮がはじまり、早産や低体重児出産のリスクが高くなると考えられています。
いずれにしても歯周病は感染病です。出産のリスクばかりでなく、生後のスキンシップなどによって赤ちゃんに感染する可能性もあるため、妊娠中の女性はもちろん、妊娠をのぞむ女性はいつも口内を清潔しておくことが大切です。とくに妊娠するまでタバコを吸っていた女性の場合、進行した歯周病がある可能性も高いといえます(喫煙者の歯周病罹患率は吸わない人の4.8倍)。妊娠したらタバコを止めるだけではなく、しっかり歯周病も治療しておきましょう。 |
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